お父さん。
アルバムを見返すと、今でも勝手に涙が溢れてきます。
「今という時間を大切にしなさい」
「亡くなってから立派なお墓も綺麗なお花もいらない。お前が幸せに生きていくことだけを、お空から見守っているよ」
「生きている限り、人の役に立てる人間になりなさい。そして、お金では買えない素晴らしい仲間と共に楽しく生きること」
それが、お父さんがよく私に話してくれた生き方の教えでした。
振り返ると、当時は父の看病と子育てが重なり、気が利かないこともたくさんありました。もっとお父さんの心に寄り添った最期の日々にできたのではないかと、悔やまれることもあります。
全身へのがん転移に加え、喉頭がんで声帯まで失って……どれほど辛かったことでしょう。それなのに、一度も弱音を吐かなかったね。本当に強いお父さんでした。
今、私は温かい家族や素敵な友人に恵まれ、幸せに生きています。
そしてこの8月、お母さんが卒寿(90歳)を迎えます。
介護は子育て以上に難しいと感じることも多いですが、主人がかけてくれた言葉がいつも頭にあります。
「介護をするのではなく、お母さんから『生き方の最期』を学ぶとても貴重な時間なのだから、大切にしなさい」と。
今の世の中は「無理をしなくていいよ」という風潮に傾きがちですが、私は過去や未来を憂うだけでなく、生かされている「今」という時間を全力で、一生懸命に生きたいと思っています。
お父さんの看病は赤点だったかもしれない。
今のお母さんの介護も、落第点かもしれないけれど……
私は今を、自分の全力で一生懸命に生きていきます。
お父さん、どうか空から見守っていてね。
お父さん
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